留学って、行く前は「毎日が刺激的でキラキラしてる」と思いがち。
私もそうでした。
けれど実際に暮らしてみると、いい意味でも悪い意味でも想像と違ったことがたくさんありました。
この記事では、語学学校への留学で私が感じた「理想と現実のギャップ」を4つご紹介します。
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理想と現実①|「日本人とは話さない」ってできる?
「日本人とは話さない!」の決意、守れる人はごくわずかかもしれません。
留学前、「絶対に日本人とはつるまない!」と意気込む人も多いはず。私もそうでした。
でも、高確率で日本人の友達はできます。
ただでさえ不安で心細い留学初期、その環境に日本人がいる限り、やはり仲間意識は芽生え、安心感も生まれるもの。
私に関して言えば、初めて留学先の空港に降り立った時、現地の日本人エージェントが迎えに来てくれたのですが、もう1人同じエージェント経由の日本人がいて、その場で早速対面。しかも、同い年で同じ語学学校ということが分かり、速攻友達になりました。笑
当時18歳だった私にとって、同い年の子もこうやって頑張ってるんだ!と思えるだけで、かなり励みになったことを覚えています。
経験した上で言えることは、留学先で日本人の友達ができることは決して悪いことではないですし、意思の弱さの表れでもなければ負けでもないです。
むしろ、気軽に情報交換できる点でとても素晴らしく心強いではないですか。
何も知らない言葉も違う異国の地で、勉強しながら生活に馴染むのは簡単なことではありません。だから、せっかく留学するのだからと自分にストイックになりすぎず、助け合っても良いと思うのです。
もちろん、だからと言って、常に日本人の友達と日本語ばかり話していては意味がありませんので、せっかく出会えた世界中の友達やホストファミリーと積極的にコミュニーケーションをとって英語を上達させることを最優先にしながら、気を抜いてたわいもない話ができる日本人の友達もいる環境が理想的なのではないかと思います。
それでもやっぱり、絶対に日本人の友達は作りたくない!という方は、絶対に日本人がいない田舎の学校を調べてそこへ行くということも選択肢の一つです。
そして滞在期間中、家族との連絡以外に一度も日本語を話さず英語漬けの日々を送れば、それは間違いなく上達への近道です。

ただ、寂しさやストレスを抱えた孤独な留学になってしまっては残念だなと思うので、寂しくなったら大きな街に引っ越そう、違う学校に変えてみよう、日本人の友達も作ろう、くらいに思っている方が、楽しい留学生活になる!
理想と現実②|差別ゼロの国は存在するのか
私が住んでいたニュージーランドなど、世界的に見ても差別が少ないとされている国や地域はたくさんあります。
しかし、この多様性の時代でありながらも、まだまだ差別がゼロの世の中ではないのが現実です。
私が滞在していたのは今から10年も前になりますので、今はもっと少なくなっているかもしれませんが、私も含め多くのアジア人は、しょっちゅう車の中からひどい言葉を叫ばれる経験をしていました。
相手は大体世間知らずの若者か酔っ払いなので、それを思えば日本でもよくあることですよね。
走っている車の中から叫ばれる分には一瞬の出来事ですのでスルーもできます。
しかしさらに酷いものでいうと、私は歩いている時にわざわざゆっくり車で近づいて来て窓から水をかけられたことがあります。それも一瞬の出来事でしたので、イラッとしつつも何もできず。
どこの国でも、テンションが上がって行き過ぎたことをする若者はいます。こういう相手は一人だと何もしてこないことが多いです。
そして最も嫌だったのがすれ違いざまに直接差別用語を言ってくるタイプ。
アジア人は大嫌いだの、消えろだの、自分一人でもお構いなしに言ってくる、本気でアジア人が嫌いな人たちです。
嫌いなのは仕方のないことです。同じ日本人同士だって相性が合う合わないがあるのですから、苦手な人種がいたって当然です。
でも、言われた方は不快ですし、大人ならわざわざ言ってくるなよと思いますよね。
私は初めはただ無視していたのですが、段々言われっぱなしなのが嫌になってきたのでこう返していました。

"But I love、Kiwi" (でも私はニュージーランド人が大好き!)
こう言えば虫の居所が悪くなった相手は小さく捨て台詞を吐いて逃げるように去っていきましたし、相手が負けたような状況になってこっちもすっきりします。
無視するのが一番かもしれませんが、言われっぱなしなんて腹立つ!!と思ったら、ささやかな反抗と思って自己責任でやってみても良いかもしれません。
とはいえ、私がこんな経験をしたのも、約8年暮らしたなかで数える程ですよ。
楽しみにしていた夢の留学生活。
差別は無いに越したことはありませんが、留学生を鬱陶しがる現地人も少なからず存在します。
でも、そんな人は本当にひと握り。
差別と思えばそうなのでしょうが、どの国にもそんな人は必ずいると思えばそれまでです。

多様性が世界で浸透し始め、どんな民族でも仲間として寄り添ってくれる。今は昔よりもずっと、そんな世の中になっているはずです。大丈夫!受け入れてくれる人の方が圧倒的に多いよ!
理想と現実③|語学学校留学でネイティブの友達は?
当然といえば当然のことですが、語学学校とは英語が母国語ではない生徒たちが学ぶ場所です。私も留学前は、ネイティブと和気あいあいと英語で会話する自分を想像していましたが、実際、語学留学期間中にできた友達は9割アジア人、1割ヨーロッパ人くらいなものでした。
私が通っていた語学学校は細かくレベル分けされており、私が学んでいた初級ー中級クラスはほぼアジア人。高いレベルに行く程ヨーロッパ人や南米人が多くなっていました。
構築される人間関係が語学学校の中だけになってしまうと、新たにネイティブの友達と出会う機会は中々ありません。
留学前は、ネイティブの友達が何人もできて、楽しくおしゃべりをしたり遊んだりする中でメキメキ英語上達!!みたいな自分の姿を想像してはニヤけておりましたが、現実はそうはいきません。
どんな小さな出会いですら深いつながりに変えて人脈をあっという間に広げてしまう、コミュニケーション能力にひと際秀でた人は稀にいましたが、残念ながら隠れ人見知りの私には無理な話でありました。
そんな中、同じ学校に通っていたアジア人でも、以下のような方法でネイティブの友達をたくさん作っていた人もいます。
スポーツクラブに参加する
ボランティア活動に加わる
ローカルのイベントに顔を出す
積極的に現地で「放課後活動」などをしていて、それを通してたくさんのネイティブの友達を作り、みるみる英語を上達させていたのです。
当時、私には参加できるものもなく、そんな友人の姿を羨ましく見ていたのですが、何年も経って社会人になってから現地のバレーボールチームに参加するようになり、たくさんのネイティブの友人ができたのはとても良い経験になりました。
スポーツや自分の得意なこと、楽しいと思える環境ならば、多少英語が拙くてもコミュニケーションが取れますし、楽しみながらナチュラルな日常会話を上達させたい方にはとてもおすすめの方法です。

スポーツ、芸術、音楽、食、感情は万国共通!それらを通して現地人との繋がりを作ることも大いに可能。まずは勇気を出して小さなアクションを。
理想と現実④|憧れのホームステイ、実は家庭事情もさまざま
留学する上でほとんどの人が経験するであろうホームステイ。
ネイティブの家族に受け入れてもらって一緒に生活しながら、現地の生活や英語に慣れ親しんでいく、とても素晴らしい経験です。私自身はかなり恵まれていたと思いますが、周りから話を聞きながら、ホームステイ先にも色々あることを知りました。
家族みんながフレンドリーで優しくて、毎食みんな揃って食卓を囲みながらその日あった出来事などを話したり、休みの日には色々な所へ出かけたり。
そんなステイ先であれば理想中の理想です。けれど、実際にはそうではない家庭もたくさんあります。
たとえば、こんなケースもありました。
・共働きで、食事は冷凍食品ばかり
・毎日同じメニューが続く
・家族がバラバラに食事を取る
・日中は誰もいなくて静まり返っている
・夫婦喧嘩が日常茶飯事で、空気が重い…
どこの国であっても家庭の事情はそれぞれです。
そもそも、ホームステイはビジネスの一環として提供されているケースも少なくありません。
「異文化を歓迎したい」という思いで受け入れている家庭もあれば、あくまで「収入源のひとつ」として捉えている家庭もあります。
そして単純に相性の問題もあるでしょう。
思い描いたようなホストファミリーではなくても、そのライフスタイルから考えさせられることもあるかもしれませんし、とらえようによっては気楽に過ごせるかもしれません。
ただ、ファミリーの不仲などで常に不快な思いをするなどであれば、ステイ先を変えることも視野に入れることをおすすめします。

そこまででなかったとしても、自分にあまりにも合わない環境で我慢を重ねる留学生活は楽しくないから、より自分に合ったステイ先を紹介してくれそうな日本人エージェントなどを頼ってみるのも一つ!
まとめ
理想と現実のギャップこそ、成長の種
留学を通して感じた4つのギャップ。
どれも、日本にいたままでは経験できなかったことばかりです。
理想と現実の差に戸惑うこともあるかもしれません。
でもその違いに触れるからこそ、視野が広がり、自分自身を深く知ることができるはずです。
思っていたのとは違うからこそ、価値がある。
それが「留学」という、ちょっと勇気のいる冒険なのかもしれません。